こんにちは!
今回は、このブログをやろうと思ったきっかけにもなった、「システム英単語」(シス単)と「ターゲット1900」の単語の被り数の徹底調査も含めた比較をし、どんな人がどちらを選ぶべきかを整理して紹介します!
参考書でよく聞かれるのは「どの単語帳を買えばいい?」という質問です。
「これらの単語帳の情報なら、ある程度知っている」と思うかもしれませんが・・・互いの単語帳の被り数(カバー率)の検証は他に見当たらなかったので是非参考にしてみてください!
【追記】
シス単とターゲット1900がどちらも改訂されたので、シス単(5訂版)とターゲット(6訂版)での被りも調査しましたので以下のリンクからどうぞ↓
(この旧版の記事も、旧版ユーザーのためにしばらく残しておきます。なお、基本的な特徴は変わってないので、引き続き参考になると思います。)
既にこれらの単語帳の基本的なことは知っていて、被り数(カバー率)の調査結果が早く見たい方は、上の目次から直接被り率調査へどうぞ!
今回の検証をしようと思った理由
単語帳で重要なのは単語の難易度と目的が合っているかどうかだと思っています。
そこで僕自身、これらの単語帳の差がどれほどあるのかが気になっていて、色々なページで調べていたのですが、意外と「〇〇は難関大レベル」とか「〇〇の方が少し難易度が高い」とか、「どちらでも大丈夫」といった情報は見つかるものの・・
・「実際にどのぐらいの単語が被っているのか?」
・「どちらの単語帳のどのレベルが、もう一方のどのレベルに相当するのか?」
といった、細かい情報がなかなか見つからず、「いっそのこと自分で調べてみよう!」
となりました。
それぞれの単語帳の基本情報
単語の被り調査を紹介する前に、基本情報を整理しておきます!
「システム英単語」と「ターゲット1900」に共通の特徴
・頻度順かつ品詞別
頻度順で、かつ品詞順になっているため、効率よく覚えることができます。
例えば、すでにシステム英単語Basicやターゲット1400などで高校基礎単語を覚えている人は、後ろの方の難易度が高い部分だけをやりこむことができます。
・情報豊富で見やすい
どちらも人気の単語帳なので、他品詞の派生語、発音記号、例文、などなど、単語帳として必要な情報は一通り入っていて、3色刷りで見やすくできていますので、レイアウト等は好みで選べるかと思います。
・シリーズ展開
シス単なら
「システム英単語 中学版」「システム英単語 Basic」「システム英単語」(今回の対象はこれ)
ターゲットなら
「ターゲット1200」「ターゲット1400」「ターゲット1900」(今回の対象はこれ)
というように、自分に合ったレベルが選べます。
・大学入試レベルの単語帳である
多少の差はありますが、どちらも基礎的な単語帳を覚えた上での受験対策に使用するのがよいと思います。
それではここから、お互いに無い特徴をご紹介します!
システム英単語
単語数:2021(多義語180語を除く)
対象:高校標準レベル~難関大レベル(基礎単語は覚えている人向け)
特徴
・ミニマルフレーズ
1文まるごとの例文ではなく、その更に一部(ミニマル=最小限)だけが載っているため、効率的。(この部分の好き嫌いが選択のポイントになる!)
例えば、「obey」(~に従う)なら、「obey the law」(法に従う)というフレーズが載っています。
このように1文でなくても、ミニマルフレーズだけを覚えておけば、例えばこの単語であれば、他動詞だということも自然と覚えられます。
・多義語に特化した章がある
これがシス単の一番の利点だと個人的に思っています!
「難易度は高くない単語だけど、その使い方はよく出る割には知らない生徒が多い!」というような、かゆいところに手が届く絶妙な単語が選出されていると思います。
・入試問題以外のデータも活用
最新の入試データ以外にも、雑誌「TIME」などの実際の現代英語のデータを分析して単語を選出しているので、センター後の共通テスト時代の外部試験などにも有効であると思われます。
・カバーを外すとカッコいい洋書のように見える(笑)
これはもう実際に手に取って見てください。高校生にとっては意外と重要な要素かも?
ターゲット1900
単語数:1900
対象:センター試験~国公立2次、難関私大
特徴
・一語一義
単語自体を「出る順」にならべるだけでなく、その単語の意味も、入試で一番出やすいものを分析して、その意味を一番大きく表示しています。
難解な単語の意味をいくつも覚えるのは入試においては効率が悪いこともあるため、中心となる意味をまず覚えていく、というのは非常におすすめです。
・公式アプリが無料(一部機能は課金制)
この本を更に活用するため、「ターゲットの友1900英単語アプリ」というアプリが無料で公開されています。この手のアプリはおまけで作ったようなクオリティのものもありますが、このアプリは非常に評価が高いのでそんな心配も不要。
・音声ダウンロードが無料
英語学習では音声は必須ですよね。
シス単の方は、ミニマルフレーズも含めた音声CDを別売しているので、その点ターゲットは良心的かと思います。
・いろいろなカバーデザイン
単語帳の表紙は、ごちゃごちゃしがちですが、ターゲットの表紙はシンプルでかっこよく、しかも複数のデザインから選べます。
(カバーを外すとカッコよいシス単への対抗策かも?笑)
それではいよいよ、お互いの単語帳の被り率をご紹介しましょう!
お互いの被り数の調査
調査方法
1.各単語帳の見出し語を全てエクセルデータに手打ちする
このプロセスが一番大変でした。。
2.派生語を同じ単語として集約する
例えば単語帳によって、creativeを載せているものと、creativityを載せているものがあるとして、それらは同じ単語の派生語として被りにカウントするようにしました。
どの程度までの派生語を同じ単語とするかは難しいのですが、判定が際どい単語の数はそれほど多くないので、被り率への影響は低いです。
※ただしこのプロセスによって、単語の総数やステージごとの数がピッタリ一致しないことになります。ただ、数単語程度なので分析としては無視できる範囲でしょう。
3.各単語帳のそれぞれのステージ(シス単なら「章」、ターゲットなら「パート」)ごとに、もう一方の単語帳がカバーしている単語数をカウント
※シス単の5章(多義語)は、難易度の高さで分けているわけではないので、今回は対象外としました。
「システム英単語」のうち、どの程度を「ターゲット1900」でカバーしているか?
システム英単語 2021単語、内ターゲット1900でカバーできるのは・・・1515単語!(約75%をカバーできます)
各レベルの被り数は以下の通りです
「ターゲット1900」のうち、どの程度を「システム英単語」でカバーしているか?
ターゲット1900 1900単語、内システム英単語でカバーできるのは・・・1503単語!(約79%をカバーできます)
※派生語の集約の関係で、どちらの単語帳を基準にするかによって若干数値が変わっていますが、約1500単語が被っていると考えて問題ないかと思います。
各レベルの被り数は以下の通りです
被り数をもとに難易度をまとめると・・・
・お互いの全体のカバー率は高いので、全体的な難易度は近いと言えるでしょう。
(=どちらを使っても大丈夫というのは概ね正しいと言えます。)
・差があるとしたら、シス単の1章では、ターゲットでカバーしていない単語の率が高いです。
(=シス単の方が、基礎単語を厚めに入れている可能性が高いです)
・上のほうのレベルでは、お互いをカバーできてない率は同程度と言えるでしょう
(=難関単語の充実度に大きな差は無いということになります)
・グラフをもとに、レベルの対応を表にすると・・・
※あくまでおおよその対応です。実際にはこのように綺麗に直線では分けられません。
なお、この各レベルの対応関係は、別記事で行った長文難易度分析のためにシス単とターゲット1900を別の方法で検証したときにも同様の傾向となりました。よろしければそちらもどうぞ↓↓
結論!
ここまで詳細に単語の被り数を知ることができました!
難易度的にはどちらも大きな差がないことが明確になったので、あとは自信をもって好みの方を選べると思います!
改めて各単語の特徴を確認して、受験生活の相棒となる単語帳を選びましょう!
「システム英単語」を選ぶべきなのはこんな人!
・少しでも掲載単語が多い方が良い
・ミニマルフレーズが効率が良くて自分に合いそうだ
・5章の多義語が良さそうだ
・アプリなどを使うとスマホを無駄に触ってしまうのでむしろ本だけでやりたい
・ターゲット1900よりも少しでも基礎単語が多い方が安心できる
ターゲット1900を選ぶべきなのはこんな人!
・音声ダウンロードができるのが魅力だ
・ミニマルフレーズよりも、1文の完全な例文が載っている方が良い
・アプリを併用して効率よく学習したい
(スマホをついでに使ってしまいそうな誘惑に勝てる!)
・一語一義主義が効率が良さそうだ
・基礎単語は別の単語帳でやっていて自信がある
あとは選んだ単語帳を完璧にすることです!
参考書で大切なのは正しいレベルを選ぶことと、選んだ1冊を完璧にすることです!
頑張ってください!
そして単語が固まった人は下に貼った記事を参考に、文法や英文解釈などに取り組みましょう!
なお、文法や解釈は単語暗記と比べて理解が重要になります。
参考書で自分で進めるのが不安な場合は、以下のような映像サービスなどを体験してみてから判断するのもアリだと思います。
→スタサプは14日間無料体験できるので見てから決めることができます。
→学研プライムも無料会員登録で1講義無料体験できるので見比べてみましょう。