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「英語長文が読めない!」という人におすすめ【英文読解入門 基本はここだ!】

最近の入試では、純粋な文法だけの問題がなくなり、長文読解の割合が高くなって来ています。そんな中ですが、「長文が読めない!」という相談は非常に多いのです。

 

そんな時に逆に聞くのが、「本当に『長文』が読めてないの?じゃあ1文なら正確に読めているの?」という質問です。

 

実は、長文が読めないと言っている多くの生徒が、長文に入る前段階の、正確な「英文解釈」ができていない状態です。そんな人にぜひおススメしたいのが、今回紹介する西きょうじ先生の『英文読解入門 基本はここだ!』です。

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なお、この記事は、英文解釈という学習内容について書かれているので、同じく英文解釈の参考書である、「ポレポレ英文読解プロセス50」についての記事も併せて読んでもらえると、より分かりやすいと思います。↓

www.sankousho-wars.info

 

また、「英文解釈って何?」という人は、こちらの記事を先にご覧ください。↓

www.sankousho-wars.info

 

 

それでは本題の「基本はここだ!」についてです。

 

「基本はここだ!」ってどんな本?

本書の目的

まずこの本に限らずですが、英文解釈の目的をざっくりいうと「1文を文構造に従って正確に理解する」ということになります。

センターや共通テストレベルの英文の選択問題であれば、単語を固めまくって、あとは雰囲気だけで意味を拾っていっても、ある程度の点数が取れてしまうことがあります。(経験からすると、これだけでも120~130ぐらいまで取れる人がいます。)

しかし、この点数域では、一般的に上位とされる大学には届かないということになります。そこで、単語の拾い読みではなく、本当に正確に意味が取れるということが必要になってきます。

本書は、一見シンプルに見える英文を、本当にしっかりと文の仕組みを理解して意味が取れるようにする、ということを目的としていると言えます。

本書のレベル

「基本はここだ!」という名称の通り、かなり基本的なレベルから取り組むことができる参考書です。高校の基本レベルの単語と文法を一通り習っていれば問題なく入れます。

内容としては、最初は「名詞は、主語、目的語、前置詞の目的語・・・・」的な話からスタートしますので、殆どの人は問題なく取り組めます。このような用語の定義などの部分も読み飛ばさずに丁寧に読みましょう。

文構造の説明に特化するために、敢えて例文のレベルも非常に抑えられているので、センターで100点を超えるような人にとっては、「文が簡単すぎる」と思ってしまうページもあるかもしれませんが、たとえ例文が理解できたとしても必ず役立つ内容があるはずなので、是非読み飛ばさず取り組んでください。

本書の構成

文の最小単位である品詞から始まり、1文が作られて複雑化していく順番に、文構造をおさえていく流れになっています。

 

大まかな流れは以下の通りです。

 

品詞の役割

主語・動詞の発見

準動詞(to不定詞や分詞のことです)・句の理解

 動詞の型(いわゆる文型)

節の役割

比較・倒置・挿入・省略などの表現

 

どんな人におススメ?

結論から言うとほぼ全員に薦めたいのですが、特におススメな例を以下に書きます。

 

・「ポレポレ」が難しすぎた人

同じく西きょうじ先生の「ポレポレ」という参考書がありますが、ポレポレの紹介記事でも書いた通り、ポレポレは「基本はここだ!」で学ぶような文構造や文法用語が理解できている前提で、実践的な英文での英文解釈のプロセスを訓練するための本です。ですので、いきなりそれに取り組んでみて、難しいと感じた人は、たとえ志望のレベルが高くても、間違いなく「基本はここだ!」に取り組むべきです。

 

・「英語?単語を覚えまくれば何とかなる!」という人

たしかにある程度までの点数は、それで取れてしまうのが選択問題の問題点でもあります。そして単語を覚えまくることは非常に重要であることは間違いないです。そのうえでですが、正確な1文読解(+そのために必要な知識)が身についているかどうかで、センターや共通テストでの選択肢の曖昧さを解消したり2次・私大レベルの英文が読めるかどうかが決まってきます。

 

・「文法は4択問題で取れるから大丈夫!」という人

5文型とか、文法の授業で高1の4月にやる割には、結局読解にどう関係しているのか分からない、という人が多いのではないでしょうか。文法の授業はその後、4択問題を中心としたものになり、その選択肢を選ぶための考え方(それも無駄ではないのですが)のようなものだけが「文法力」となっていることがあります。しかし、そもそも文法は、文を読むためのルールをまとめた物で、「文法問題を解くため」にやるものではありません。本書を通して、学校で学んだ文法が、読解にどう結びついているかが分かると思います。

 

・センターや共通テストで6割前後で停滞している人

センターで120~130ぐらいで停滞する人は、正確な読みができてないまま、単語力と勘で読むことを「長文読解」と称して読みまくっている人が多いです。本書で「本当に読む」とはどういうことかを初めから押さえていきましょう。

 

注意するポイント

このように、非常に多くの人におススメの本で、「ポレポレ」のような、人によっては難しすぎるという問題点もないのですが、しいて挙げるとすれば、ということで注意点をご紹介します。

 

・例文だけで判断すると簡単すぎるように見える

上でも書きましたが、本書は文構造の説明に特化できるように、使っている文自体は敢えてシンプルなものにしていますし、単語も簡単なものが使われている例文が多いです。(文の仕組みを学びたいのに、分からない単語が多すぎたり、文の内容自体が難しすぎたりすると、文の仕組みに集中できないですよね) 本来、ここが本書のメリットなのですが、逆に「例文の意味が分かるので簡単だ」と思って読み飛ばす可能性がありますので、その点に注意しましょう。

 

・メジャーな教科書等で習う文法用語が使われてないことがある

これはそもそも出版社や講師によって色々違うものなので、この本に特有のことではありませんが、例えば本書では、「第5文型」という単語を用いず、「SVOCの型」というように表現していたりします。これは、逆に言えば4とか5とかの数字を覚えていなくても、文の構成から理解することができるという意味で良い点でもありますが、既に第5文型の概念が固まっている人は、数字で5文型と書いていた方が早いと感じる人もいるかもしれません。他にも、過去分詞を「PP」とせずに、「-en」としている点などがあります。

 

まとめ

繰り返しになりますが、長文を読むということは、1文は正確に読める、ということが前提になります。その基本をしっかりと頭に入れて、必要な力を1つずつ身に着けていきましょう。

本書が固まったら、入試基礎レベルの長文を読む練習に入れると思います。そして更に上の大学を狙う人は、「ポレポレ」をまずは少し読んでみましょう。

「基本はここだ」から「ポレポレ」への接続については、「レベルの差が大きすぎる」という意見も多くありますし、その意見は間違いではないと思います。

ただ、個人的には「基本はここだ」に詰まっている内容はかなりしっかりしたもので、本当に本書をきっちり理解したうえで丁寧に取り組めば、ポレポレにそのまま入ることは可能だと考えています。

(ただし、確かに扱う文のレベルは一気に上がるため、相当に粘り強く取り組むことは必要です。不安な場合は、「入門英文解釈の技術70」や「入門英文問題精講」などを挟みましょう。

 

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