最後のセンター試験が迫っていますが、そろそろ大学入学共通テストへの意識も高まって来ているのではないでしょうか。
英検やGTECなどの民間外部試験の活用などについても、色々な問題がありますが、受ける側は準備するしかない状況です・・・【2019/11/02追記】英語の外部試験については、2021年度入試での使用は中止となりました。
そんな中で、少しでも参考書選びなどの参考になればと思い、当サイトでは様々な英文の長文難易度を分かりやすく数値で比較してご紹介していきます!
当サイトで紹介している難易度の数値算出方法や、センター試験での数値については、以下の記事をご覧ください。
今回の検証対象
共通テストは、2021年1月に開始されるため、現時点ではまだ正式な過去問はありません。
しかし、2017年度と、2018年度の2回にわたって、大学入試センターが、公式に試行調査(プレテスト)を行っています。
試行調査とは、どのような問題にすればどれぐらいの正答率になるかなどを、実際の高校生に受けてもらって、問題作成の検討をするような目的で行われるものです。
実際に本番までには、また改良されたりレベルの検討をしたりする可能性が高いですが、現時点で出題が想定されている英文のレベルとしては参考になるかと思います。
どの大問を検証するかが難しい
長文の難易度を数値化するには1文の長さなどの数値を集計するので、「Yes.」や「That's right.」のような文が多くなる会話文や、広告などの文じゃない部分が多いものは長文としての難易度の数値化には向きません。
センター試験では、どの大問でどのような種類の英文が出るかがほぼ決まっているので、典型的な長文(評論や記事のようなもの)を検証するには大問6で問題なかったのですが、共通テストはまだ試行調査なので、2017年度と2018年度で問題構成も少し違うようです。
2018年度分については、センター同様に大問6が普通の長文記事だったので、これを使用しました。2017年度分は、問6が物語文になっていたので、同じ種類の記事系で統一するために、問5Bを使用しました。
なお、大学入学センターが公表している出題の狙いの説明によると、2018年度の大問6も、2017年度の大問5Bも、CEFR基準ではB1レベルを想定しているとのことですので、共通テスト内では一番難しいレベルを想定している問題と言えます。
検証結果!
2018年度 問6A
・FKG(アメリカの何年生レベルか)=11.4(11年=高2)
・難単語率(3000語レベル外の単語の比率)=4%
・参考書ウォーズ総合難度=12.2
2018年度 問6B
・FKG =9.7(9年=中3)
・難単語率 =10%
・参考書ウォーズ総合難度=11.7
2018年度 問5B
・FKG =6.3 (6年=小6)
・難単語率 =6%
・参考書ウォーズ総合難度=7.5
※難単語率の詳細や、総合難度の数値については、先ほども紹介した過去記事をご覧ください。
センター試験と比べると…
※横軸が学年を表すFKG数値、縦軸が難単語率です。
※赤がセンター、青が共通テストになります。
センター試験は、出題傾向が熟成されているということかは分かりませんが、年による差がそれほど大きくないと言えそうです。
一方で、共通テストは、まだ試行段階ということもあり、同じB1レベルと言いながらも、使用単語のレベルや問題文の読みにくさのどちらも問題によってばらつきが大きいです。
これから実際の問題が発表されてからも検証していきたいと思います。
ただ、現時点でも1つ注目すべきなのは、共通テストの2018の問6Aで、FKGが11を超えているということです。そして、その算出に使われる、「1文あたりの平均単語数」は「20.9単語/文」となっています。この数字が20を超えると、一般的には読みにくい文章と言われていて、難関入試レベルでないとなかなか20を超えてこないはずです。
共通テストでこの数字が出るのは、まだ試行調査だからなのか、それとも、本番もこのレベルの長文を入れることを検討しているのかは分かりませんが、しっかりと対策をしておきたいことは間違いないですね。
共通テストも、既に色々な対策本が出てきているので、是非参考にしてください↓