こんにちは!
今回は、「ポレポレ」の略称でおなじみの難関レベル英文解釈の参考書、「ポレポレ英文読解プロセス50」の文章難易度を検証しました!
このサイトでは、参考書選びの役に立てるように、英語長文の難度を数値で検証して比較しています。
※詳しい数値の算出法については、下の記事をご覧ください。
※他の長文難度検証の記事も、「リーダビリティ」のカテゴリから表示できます。
今回の検証対象「ポレポレ」とは
知っている人も多いかとは思いますが、「ポレポレ」は、難解な文章を正確に文構造を理解しながら精読していくための参考書です。
この参考書についての詳しい紹介は、以下の記事で行っていますのでご覧ください。(既にポレポレについて知っているという人はこのまま読み進めてください。)
ポレポレを検証した理由
このサイトで使用している長文難度の数値(FKG)については、先ほど一番上に貼った記事の通りですが、これは主に英語圏で使用されている数値なので、日本の英語の入試問題をこれに当てはめるとどのぐらいの数値になるかは分かりませんでした。
日本の基礎レベルの入試問題の代表ともいえるセンター試験については、既にこの記事で検証したので、今回は2次レベルの長文難度の数値目安として、難関2次レベルの代表的な英文解釈の参考書であるポレポレを選択しました。
検証した文章
今回は、難関2次レベルの目安としてポレポレを選択したので、ポレポレの中でもレベルが高い文章である「ライオンマーク」が付いた14の文章を対象としました。
ライオンマークの文章は、旧帝大や慶応の問題から出ているものが多いため、難関2次レベルの目安としては適していると言えます。
検証結果
14種類の文章で、合計1023ワードありましたので、FKGを算出するには十分なサンプル量だと思います。
センテンスの数は合計36でしたので、1文あたりのワード数は28.4となります。
一般的には、この数値が20までであれば、読みやすい英語と言われているので、平均28.4というのは、かなり読みにくいと言えます。
これらから算出される結果は以下の通りです。
・FKG(アメリカの何年生レベルか)=12.9(高3~大学1年)
・難単語率(基本レベル3000単語に含まれない単語の比率)=5%
・総合難度(このサイト独自の指標)=13.9
※総合難度とは、FKGだけでは単語の難度が無視されてしまうので、総合的に難度を比較するためにこのサイトで定義したもので、難単語率の数字÷5をFKGに足したものです。詳しくは最初に貼った記事をどうぞ。
このポレポレの結果を、既に別で検証したリンガメタリカとセンター試験のデータと比較したグラフが以下です。
いかがでしょうか。ご覧の通り、リンガメタリカの多くの長文よりも読解の難易度が高いことが分かります。
ただ、この結果から分かる一番重要なポイントは、その難単語率の低さにあると考えます。なぜなら、この本は、英文解釈の参考書だからです。
どういうことかというと、
英文解釈を目的とした本は、複雑な構文の読み取りをマスターすることが重要なので、難しい長文をを選ばざるを得なくなるはずですが、そうすると自然に単語自体が難しいものが多く含まれた文章になりそうなものです。
しかし、上のグラフの通りこの「ポレポレ」では、リンガメタリカの長文の平均を超えるような、読解の練習になる複雑さで、かつ単語自体は95%が基本単語で構成されている、という英文解釈に最適な文が選ばれていると言えます。
文の構造を真剣に考えたいのに、単語の意味自体が難しすぎたら文構造に集中できないですよね。その点をしっかり考えて作られているのではないでしょうか。
今後は、標準レベルの問題集などはセンターの結果を目安に、そして2次試験や難関レベルの問題集などは、今回のポレポレ(ライオンマーク)の結果を目安にして比較すると難易度のイメージがつかみやすくなりそうです。
是非参考にしてみてください!
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