「現代文の勉強って何をすればいいの?」
これはめちゃくちゃよく聞かれる話です。
読解用の参考書や実践的な問題集などをやることも後々必要にはなってきますが、その前に多くの人がまず取り組むべきなのは、「単語」と「背景知識」です。
今回紹介する「読解を深める現代文単語」では、それらをまとめて学習することができるので、その後の本格的な現代文の学習がかなり効率よくなります!
ちなみにこんな感じの表紙で結構かっこいいです。
なぜ現代文読解の勉強をする前に語彙をやっておくべきか
現代文というのは、正直何もしてなくても点が取れる人はいます。
でもこのページにたどり着いた人は、おそらく何かしらをやって点を上げないといけないという人だと思います。
そういう相談を受けたときに、点が取れてないほとんどの人に共通しているのが、入試現代文を解く(というか、そもそも読む)うえでの基本的な語彙や背景知識が不足しているという点です。
こういう人におすすめ
例えば、ランダムな抜粋ですが、「ポピュリズム」「モラトリアム」「エスニシティ」「あらずもがな」「形而上」「演繹」という単語の意味が全て正確に説明できそうになければ、本書を買う価値は十分にあります。
逆にいえば、「このぐらいの単語は普段の読書などで既に知っている」という人は、基礎的な語彙は問題ないので、読解をしながらさらに身に着けていく形で良いと思います。
まずはこれら基礎知識を身に着けることで現代文学習の準備が整う、といった感じです。
本書の構成
全4章の構成になっていて、現代文の基本となる概念から、テーマ別の語句、外来語、小説で出やすい語句など、現代文全体で必要となる幅広い語句や知識をカバーしてくれます。
1章:読解のための基本10語
まずここでは、色々な語句の意味というよりも、現代文を読むうえで考え方の基礎となる、「具体・抽象」「主観・客観」などの概念を学びます。
基本的に現代文の解説や参考書などでは、この辺の言葉は知っている前提で書かれているので、まずはこれらの概念をきっちり抑えましょう。
2章:テーマ別重要語
ここでは、「言語とコミュニケーション」や「現代・国際化」などのように、現代文で話題になりやすいテーマごとに、扱われる語彙を学んでいきます。
ただ単に語句の意味が辞書のように書かれているだけでなく、その語句についての背景や使われ方などの情報も豊富に載っていて、学生に限らず大人でも十分に参考になるような内容ですね。
3章:重要語(外来語・熟語)
3章は外来語や熟語に特化して網羅的に掲載しています。
外来語といっても、もちろん現代文(特に評論文)で使用されやすいものが選ばれています。
その単語の使われ方の例だけでなく、確認用の練習問題も掲載されていますので、読解の練習にもなりますね。
4章:小説語
最後は小説に特化した章です。
小説文では、評論とは違う語彙が使用されることが多いのですが、「心情」や「人物の形容」など、小説で特に使用されやすい語句をカバーしています。
また、入試現代文では「現代文」とはいえ、昭和初期などの話が出てくることも多く、そのような話ではそもそも現代では普段使わない言葉が出てきます。
それらも、「古風な語」などのセクションでカバーしていますので、古めの話に苦手意識がある人にもおすすめです。
これらの背景知識は現代文だけでなく英語にも役立つ
実はこの本をすすめるもう一つの理由がこれですね。
英語の勉強では、もちろん英単語や文法、解釈などが必要なのですが、一定以上のレベルになってくると、英語でもテーマに対する「背景知識」がなさ過ぎて読めてない、という現象が発生してきます。
本書では、日本語で書かれてはいるものの、英語の評論文でも同じようなテーマが扱われることがあるため、前提として知っておくことで英文を読むときの理解が深まる内容だと思います。
ちなみに、英語で同じような目的で取り組むのにおすすめなのが、「リンガメタリカ」という参考書(単語帳)ですね。こちらも非常におススメの参考書になりますが、レベルは結構高めなので要注意です。
まとめ
・現代文の読解対策も大事ですが、まずは語彙や背景知識などが大切
・「読解を深める現代文単語」は、現代文読解の基本的語句から、外来語、小説語まで、幅広くカバー
・背景知識は現代文だけでなく英語の読解にも生かされてくるのでコスパが良い
現代文の知識は全てに役立ってきます!早めに取り組んで基礎を固めましょう。