参考書といえばまずは単語帳!
では、単語帳といえば、、、メジャーなものが何冊が思い浮かびますが、大学受験用で「出る順(=難度順)」で有名なものといえばこの2冊といっても良いでしょう!
「ターゲット1900(6訂版)」(旺文社)
と
「システム英単語(5訂版)」(駿台文庫)
です!
これらの2冊が、ほぼ同じタイミングで8年ぶりに改訂されましたので、改めて単語の被りを含めて変更点比較をしてみます。
なお、どちらも改訂前から大きなコンセプトは変わってないので、それぞれの単語帳の特徴については旧版の比較記事もご覧ください。
※さっさと被り数だけ知りたい方は下の目次からどうぞ!
ターゲットとシス単の概要
このページにたどり着いた方は既に知っている人も多いと思いますが、まずは今回対象の2冊の概要を整理しておきます。
<ターゲット1900>(6訂版)
価格:1,100円(税抜)
レベル:共通テスト~国公立2次、難関私大
メインの見出し語数:1900
その他単語:英検準1級200語、TEAP140語
<システム英単語>(5訂版)
価格:1,000円(税抜)
レベル:CEFR A2,B1~入試最難関
メインの見出し語数:2027
その他単語:多義語184語、ジャンル別363語
基本情報としてはこんな感じですね。
ちなみに、上記の「レベル」のところの説明は、それぞれの単語帳に実際書かれている表記を基に書いています。
今回の改訂でどれぐらい変わった?
改訂での変更点を簡単にまとめました。
※なお変更点の詳細はそれぞれの単語帳の変更点の記事(以下)をご覧ください
シス単の主な変更点
・単語のデータベースを刷新(約100語が入れ替わり)
・民間試験も考慮した語順に
・CEFRを考慮した語順に
こんな感じです。
ただ、実際に調べると、単語の順番などの変更はあまり大きくない印象でした。
しかしそれは必ずしも悪い意味ではなく、そもそも完成度が高いということも言えるかもしれません。
ターゲットの主な変更点
・単語のデータベースを刷新(約250語が入れ替わり)
・単語だけでなく意味の出る順も全て見直し
・例文を全て刷新(かつコロケーションが分かりやすい表記に)
・英検準1級とTEAPに出やすい単語を巻末に追加
こんな感じです。
調べたところでは、シス単よりも変更度合いが大きいです。
もちろん、「変更が大きい=良い」という訳でもないとは思いますが、基本的には良い改訂だと思います。
ちなみに、今回これらの2冊で追加された単語のうち、24語が同じ単語でした。
2冊共通で追加された単語の一部を紹介します。
・antibiotic(抗生物質)
・dementia(認知症)
・entrepreneur(起業家)
などなどですね。
両者ともに最新のデータを基に単語を選んでいるために、同じような単語が頻出として出てきたと思われます。
(つまりどちらもちゃんと分析していると言えそうですね。当たりまえですが・・笑)
2冊の単語の被りは?
それでは気になる被り数を見てみましょう。
ちなみに、旧版同士の被り方も詳しく見てみたい方はこちらからどうぞ。
システム英単語 VS ターゲット1900 「本当に同じぐらいのレベルなの?」単語被り数を比較! - 参考書ウォーズ
調査対象
今回の被り数の調査対象は、それぞれの単語帳のメインの見出し語です。
つまり、ターゲットなら1900の部分、シス単なら2000(実際は2027)の部分です。
実際にはこれらの単語帳には付録部分として+αがあります(上の方で書いた概要を参照)。
しかし、これらを入れるとキリがないので、今回は分かりやすくするために単語帳のタイトルにもなっているメインの見出し語数同士での比較としました。
※なお、全く同じ単語でなくても、~lyと~lityのように明らかに品詞を変えただけといえるものや、その見出し語の欄に明らかに意味が同時に覚えられるような派生語として出ているものは、「カバーしている(かぶっている)」とカウントしました。
これは、この調査の目的が数値的な厳密さよりも、「単語帳を選ぶうえでの判断」ということだと考えたためです。
※全て手動でのカウントのため、若干ズレている可能性もあります。
調査結果
ターゲット1900見出し語のうち、シス単の2000部分でカバーできる単語は・・・
1556/1900=約82%
でした。
そして、
シス単の2000語部分のうち、ターゲット1900見出し語でカバーできる単語は・・・
1543/2027=約76%
ちなみに、なぜ同じ被り数にならないかというと、片方の単語帳では1つの見出し語で書かれている単語が、もう片方ではそれぞれの品詞で見出し語として載っている場合があるからですね。
とはいえ、ざっくり1550単語が被っていると考えていいかなと思います。
旧版では1500ぐらいが被っていたので、被り数は増えています!
先ほど書いた通り、今回の改訂で新たに追加された全く同じ単語は24語なので、それ以上に被り数が増えているということは、お互いがお互いの単語帳に載っていた単語を改訂で追加したケースがあるということだと言えますね。
実際にはもっとお互いをカバーしている??
実はこの被り数には更に秘密があります。
それは、それぞれの単語帳の付録部分ですね。
シス単には、多義語184語、テーマ別363語、 ターゲット1900には、英検準1級200語、TEAP140語があります。
メイン部分では被っていない単語でも、この部分でカバーされている単語がかなり多いです。
例えば、ターゲット1900の1900部分から今回除外されていても、その中のかなりの数の単語が「英検準1級200」の部分に移動しているのです。
逆に、ターゲット1900の単語でシス単のメイン部分に載っていなくても、実はジャンル別単語の部分に載っているという単語も多いです。
つまり、先ほどかいた1550という数以上にお互いのカバーしている単語は多いということですね。
こうなると、単語の選出による差はあまり考えてもしょうがないような気がします。
まとめ
今回改めて単語を全部調べてみて、やはり旧版と同じく全体的なレベルとしてはそれほど大きい差はないと言えそうです。
どちらも、基本的には基礎レベルの単語帳は終わってから取り組むべき入試レベル~難関入試レベルの単語帳です。
ただし、細かく言うと、シス単のほうがやや基礎レベルの単語が多めというのはあります。
どちらも最新データによって単語を入れ替え、内容を充実させていますね。
また、改訂をして被り数が増えているというのも非常に面白い点で、それぞれの単語分析のデータや精度が上がった結果として、両者の単語選択が近くなったのではないかと予想しています。
これらの変更と旧版から変わってない特徴も踏まえて、どちらを選ぶべきかをまとめておきます。
シス単がおススメな人
①シス単ベーシックからの接続の効率が魅力
(シスタンはベーシックからの区切りが明確なので、ベーシックが完璧なら途中からスタートできます)
②ジャンル別単語が魅力
(一例ですがcicada, crow, hen, copper, diarrhea, asthmaなどのジャンルに特化した単語は意外と普通の単語帳から省かれがちです)
③多義語セクションが魅力
(多義語は単語自体は簡単なので油断しがち)
④ミニマルフレーズが魅力
(1文丸ごとでなくフレーズだけで効率よく暗記)
ターゲットがおススメな人
①ターゲット1400を使っている
(シスタンのように区切りは明確ではないけど同じシリーズなので単語漏れはなくなるはず)
②英検準1級セクションが魅力
(旧版から消えた単語もこのセクションに多く掲載されているので覚えよう)
③TEAPセクションが魅力
(大学系で出てきやすい単語が豊富)
④1文丸ごとの例文が魅力
(文構造の理解にはミニマルフレーズよりこっちがおススメ)
こんな感じです!
どちらも良い部分があるので悩みどころですが、自分にとって重要なポイントを優先して選びましょう。
選んだあと一番大事なのは色々やらずに1冊を完璧にすることです。
※基礎レベルの単語が心配な人は、シス単なら「シス単ベーシック」を、ターゲットなら「ターゲット1400」を検討してみてください。
シス単ベーシックについてはこちらをどうぞ↓