英語長文の参考書では定番ともいえる『英語長文レベル別問題集』(東進ブックス)についてです。
おすすめポイントや注意点など、購入を検討している人や、すでに持っている人に役立ちそうな情報をご紹介します!
なお、この参考書は、その名の通りレベル別に6段階に分かれているので、初級レベルの高1生から、難関大を目指すレベルの受験生まで幅広く活用できるので、是非ご覧ください!
【追記】
このシリーズの効果的な選び方や使い方についても別記事で紹介しましたのでよろしければどうぞ↓
この参考書の概要
まずはこの参考書についてざっくりご説明します。
出版社:東進ブックス
著者:安河内哲也/大岩秀樹
価格:952円(税抜)
シリーズ構成:高校受験レベル~難関大レベルまでの6冊
内容:1冊あたり長文12題(レベル6のみ10題)
(1題ごとに問題、解説、解答、解説、構造分析、全文訳あり)
こんな感じです。
シンプルな構成ながら、長文問題集に必要な要素はきっちり入っているので、かなり無難に幅広い人におすすめできますね。
※ただし、長文の参考書なのである程度の単語や文法は一通り学習してから取り組みましょう。
おすすめするポイント
色々な長文参考書が出ている中で、比較的知名度が高い本書ですが、僕が考える良い点を整理してみます。
1.シンプルかつ十分な内容構成
まずは構成についてですが、上でも書いたように、本書の構成は「問題文、解答・解説、構造分析、全文訳」というように、長文問題集として必要十分な内容が全ての長文に同じように含まれています。
他にも、
・問題文が見開き1ページで読めるようになっている
・問題と回答欄が見開きで完結するようになっている
・構文分析と全文訳が見開きで比較できるようになっている
など、ただ単に内容を詰め込んだだけでなく、レイアウト的にも使いやすさを意識していると言えます。
2.構造分析が全てについている
英語長文の参考書は色々ありますが、さすがに設問で問われた部分の構文説明は大体どの本でも載っていますが、全文の文構造は載っていない参考書もあります。
長文が読めて、問題自体はたまたま正解できても、実際には文構造が理解できてないこともあるため、それを防ぐために文構造を正確に把握することがおススメなのですが、本書であればそれが全ての英文で確認できます。
3.同じシリーズでの幅広いレベル設定
他の長文参考書でも、例えば「基礎」「応用」的な感じで分かれているものはたくさんありますが、本書はレベル1(高校受験レベル)~レベル6(難関大レベル)まで分かれています。
このおかげで、受験用の参考書でありがちな「この参考書は、受験レベルになるまで使えない」ということがなく、まだあまり読めない人でもレベル1や2から開始することができます。
さらにその先も、初級レベルから慣れ親しんだレイアウトや構文記号のままで、レベルを上げていくことができますし、次のレベルへの接続もしやすいと言えます。
※ただし、さすがにレベル1でも中学レベルの単語や文法はおさえてからの話です。
またそのレベルの説明も、良くありがちな「地方国公立」のようなざっくりしたものではなく、学年・TOEIC・英検・志望校(具体的な大学名あり)という具合で比較的細かく表示されていて、この手のシリーズ系の参考書の中では自分に合ったレベルが選びやすい方だと思います。
ちなみに、公式に表示されているレベル表記と表紙デザインは以下の感じです。
※上で書いた、さらに細かい大学名なども、本の中には書かれています。
・レベル1「超基礎編」(中学~公立高校受験レベル)
・レベル2「基礎編」(公立・私立高校合格レベル)
・レベル3「標準編」(センター試験(基礎)レベル)
・レベル4「中級編」(センター試験・中堅私大レベル)
・レベル5「上級編」(有名私大・国公立大レベル)
・レベル6「難関編」(難関私大・難関国公立レベル)
4.幅広い設問の種類
これは、総合的な長文問題集であれば本書に限ったことではないですが、良い点として挙げておきます。
本書の設問は、特定の問題形式に特化しておらず、空所補充・内容一致・和訳、と幅広いものになっています。
※逆に言えば、直前期の志望校対策としては微妙とも言えますのでご注意を。詳しくは注意点の欄で書きます。
使用上の注意点
基本的に色々な人に幅広くおすすめなのですが、どんな本でも完璧ではないので、僕なりに考える注意点もご紹介しますね。
当然、上で書いたおすすめポイントの裏返しのような内容も多いです。
1.良くも悪くもシンプルな解説
個人的にはこれで十分な内容の解説だと思いますが、人によってはシンプルすぎると思うかもしれません。
見開き1ページで完結させるためにある程度シンプルになっているのかもしれません。こればっかりは、実際に見てから判断してみましょう。
「この解説じゃ、なぜそれが正解か分からない!」
と感じた人は、更に解説が細かい参考書の方がいいです。
2.構文の詳細な説明はない
本書はあくまで長文の参考書で、英文解釈の本ではないので当然といえば当然ですが、構造分析(SVやカッコ書きなどによる構造の表示)は全文にあるものの、構文の詳しい説明などがあるわけではありません。
構文の解説の丁寧さでは、以下の記事で紹介した『入門英語長文問題精講』に軍配が上がりそうです
ですので、構造分析ページの記号などを見て文構造が理解できないという場合は、本書の前に英文解釈に取り組みましょう。
※英文解釈については以下のページなどをご参照
3.特定の試験に特化した対策にはならない
これも、上で書いた良い点の裏返しなのですが、本書は総合的な長文問題集なので、「センターだけの対策」や「〇〇大学の直前期の対策」という場合はおすすめできません。
とはいえ、そもそもそのような目的の場合は、過去問やそれ専用の問題集をやると思いますので、それほど問題にはならないでしょう。
本書は、特定の大学の問題に対応するために長文のレベルをそこまで上げたり、過去問に入る前に長文読解練習の量を確保するために活用できますね。
共通テスト時代にも役に立つか
気になるのは、共通テストの時代になっても対応できるかという点ですが、先ほど書いたように、本書は特定の問題形式の対策にはなっていないので、共通テストの時代になっても幅広い英語長文の演習として問題なく活用できると思います。
ただ、これは共通テスト対策に活用できるという意味ではありません。
もちろん共通テストとはいえ、英文は英文なので本書で英文読解の練習をすれば役には立ちますが、直前期の共通テスト自体の対策は、それに特化した問題集をやる方がいいでしょう。
特に最初の数年は、過去問が無い(or少ない)ので、以下のような過去問以外の何かしらの対策本は必要です。
まとめ
・長文演習に必要な要素がシンプルかつ十分にまとまっている
・全文に構造分析と訳が付いている
・使用者のことを考えた使いやすいレイアウト
・特定の問題形式ではなく幅広い問題形式
・幅広いレベル設定と分かりやすいレベル説明
・逆に言えばシンプルなのでそれぞれの細かい分野の学習は別で必要
・共通テスト時代でも英文の演習としては有効
・本書が終わった後で各大学や共通テストの問題集へ
という感じです!本書はどんなレベルの人でも取り組めるので、是非検討してみてください!高校生の場合は、レベル3~4ぐらいから入っていくのがおススメです。
なお、同じ東進ブックスからのシリーズで、4技能時代のReading&Listening用の問題集も発売されています。

英語 L&R レベル別問題集3 標準編 (東進ブックス リスニング リーディング レベル別問題集 英語4技能)
- 作者:安河内 哲也,Andrew Robbins
- 発売日: 2019/03/21
- メディア: 単行本

英語 L&R レベル別問題集4 中級編 (東進ブックス リスニング リーディング レベル別問題集 英語4技能)
- 作者:安河内 哲也,Andrew Robbins
- 発売日: 2019/03/21
- メディア: 単行本