当サイトではお馴染み(?)の英語長文の難度を数値で検証する「リーダビリティ」検証ですが、今回は読者様からのリクエストにお答えして、早稲田大学の社会科学部(社学)の一部英文を検証してみました。
※あくまで設問や合格の難度ではなく、英文そのものについて、語数や単語から算出した数値ですのでご了承ください。
他のリーダビリティの記事などを既に見ていただいていて、数値の説明などを知っている人は目次から直接結果へどうぞ!
「英語長文の難度を数値で表す」とは?
まず、英語には、文の読みやすさを数値で表す「Readability」という考え方があります。
ここでは簡単に概要だけ説明します。
※詳しい数値の算出や考え方について詳しく知りたい方は、先に以下の記事をご覧ください。
基本的には、「1文あたりの平均単語数」と「1単語当たりの平均音節数」が多い方が読みにくい文である、という考え方に基づいて出てくる数値です。
このサイトでは、その数値と、長文中に難単語が含まれる率から、色々な過去問や参考書などの英語長文の難度を算出しています。
今回対象にした早稲田(社会科学部(社学))について
大学入試では、どの学部でも同じ問題を使用する大学も多いですが、早稲田のような難関私立大学は学部ごとに別の問題を作っています。
例えば理工学部は思いっきり理系の論文などが出題されますし、今回のように社会科学部では、経済・社会・情報などに関する英文などが出てきます。
今回は2020年の問題の問2を対象としました。(社学の問1は文法問題なので)
ちなみに、今回対象にした問題は、The Economistというイギリスの政治経済紙からの抜粋ですので、文章としては当然ネイティブレベルのものですね。
検証結果
他の主な入試や参考書データと比較した図が以下の通りです。(太字が今回の対象)
比較のために、難関レベルの長文や単語の参考書である「リンガメタリカ」と「速単上級」のグラフも貼っておきます↓
青:速単上級、赤:リンガメタリカ
結果から言えること
FKGレベル(アメリカの学年でいうと何年生レベルの文章か)でいうと、12.7ですので、大体高校3年~大学1年レベルということになります。
(アメリカの学年は、小学校1~6までは日本と同じですが、そのまま中1は7というように数えていきます)
難関大向の単語や長文が載っている「リンガメタリカ」や「速単上級」の多くの長文が、11~12.5に収まっているので、12.7はなかなかの難度ですね。
難単語率(文中にOXFORD3000という基本単語に載ってない単語が何%あるか)でみても12.9%なので、「リンガメタリカ」や「速単上級」のボリュームゾーンである12%を超えてきています。
ちなみに、OXFORD3000のサイトにも、「大体の英文は10%以内に収まる」的なことが書いていました。
もちろんこの検証自体は数値で言える文の読みにくさだけを表していますので、入試として合格する難度と単純に言うことはできません。
ただ、別記事の理工学部の結果からしても、早稲田レベルの入試で出てくる英文を読むための対策としては、入試レベルの参考書では最高レベルのものに取り組んでおいた方が良いとは言えそうです!
あとは経済学や歴史なども含めた幅広い知識があるかどうかでも大きく読みやすさが変わってくると改めて感じます。
今回で言えば、Gutenbergが1行目で出てきますが、「グーテンベルクの活版印刷」を知っているかどうかで、導入部分の理解度が全然違います。
そして後半の方では、ビッグデータやその取り扱いの話になります。やはりここでも、情報に関する知識が役に立ってきます。
英語といっても、このレベルの難関私大になると、単語や文法だけでなく、その学部や分野への興味、関心、知識、なども鍛えるという気持ちが大切ではないかと思います!
背景知識を鍛えるには、上のデータでも出てきた『リンガメタリカ』はかなりおススメです。(参考記事を貼っておきます↓)
なお、そのほかの英文難度検証については、「リーダビリティ」のカテゴリーからどうぞ!
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