長文を使って単語を覚えていくスタイルで有名な「速読英単語」(通称速単)。
そしてその速単のシリーズでも、一番使用者が多いレベルが、今回の「必修編」だと思います。
今回はそんな「速読英単語・必修編」の単語のレベルを細かく分析してみました!
「どのぐらいの人がスタートできる単語レベルなの?」
「システム英単語と比べるとどうなの?」
「速単の上級編との差はどうなっているの?」
というような疑問がある人は是非ご覧ください!
※単語レベルの前に、本書の概要、おすすめポイント、注意点などのレビューは別記事にしているのでよろしければそちらもどうぞ。
『速読英単語(速単)必修編』レビュー【おすすめポイントと注意点】 - 参考書ウォーズ
今回の検証
難易度順(≒出る順)で代表的な単語帳で、既に当サイトでも紹介している「シス単」を基準にして速単(必修編)の単語レベルを検証してみようと思います!
シス単についてまずは知りたいという人はぜひこちらを先にどうぞ↓
そして、調査の流れで結果的に「シス単」⇒「速単上級編」の接続具合についても明らかになったので、それも併せてご紹介します!
それでは本題に入りましょう!
※結論を見たい方は上の目次から該当部分へどうぞ。
速単(必修編)の単語レベルは?
まず、前提として、比較対象となるシス単シリーズの難度は概ね以下の表のとおりです。
※CEFR目安については、シス単自体に掲載されている情報を基に、単語をいくつか確認してみて少し調整したものです。
※STは、ステージの略です。1から簡単な順に掲載されています。
※シス単ベーシックのステージ1は、高校英語の一番最初レベルからと理解して問題ないです。
速単必修編の最低レベルは?
速単必修編のレベルが低い側の境界がどの辺なのかを考えてみます。
ちなみに、公式の案内ではこのような図になっています。
易しい文章の単語を調査
速単必修編は、単語自体を簡単な順に掲載しているわけではないですが、一応長文は易しめなものから順に掲載しています。
つまり、その長文内で使われている単語もある程度は易しい順になっているはずなので、まずは一番最初の部分の単語をシス単と比較してみます。
一番簡単な長文から順にLesson1~5までの見出し単語132個をチェックしました。
シス単との被りは・・・75/132単語(57%)
ただ、これだけではどちらが簡単だから載ってないのかが分からないので、載ってない単語を全て確認しました。
シス単に載ってない単語の例(著作権の問題になりそうなのであくまで一例です)
・control
・area
・healthy
・foreign などなど
感覚的にも簡単なものが多く、CEFRで見てもA2以下のものが半数以上でした。
つまり、速単必修編の最低レベルは、普通のシス単のステージ1よりも低めになっているようです。
ただ、これだけではどのぐらいの差があるかはまだ分からないので、更に検証してみます。(最後に結果をまとめます。)
速単必修編の最高レベルは?
シス単と比べて何単語分ぐらいの差があるかを検証するため、今度は難しい側の境界も見てみます。
難しい文章の単語を調査
簡単な側と同じ理屈で、速単は最後の方が難しい長文なので、最後から順番にLesson4つ分で、ちょうどさっきと同じ132単語あったので、そこで調べました。
シス単との被りは・・・102/132単語(77%)
でした。
かなり高いですね。これはシス単とターゲット1900の被り率とほぼ同じです。
ここでも被ってない単語の難度を見てみます。
・community
・hang
・link
・broad
・perfect などなど
やはり先ほど同様に、シスタンに載っていない単語で結構簡単なものが多くあります。CEFRだと、半数程度がA2以下でした。
速単必修とシス単のレベル差を単語数で考える
先ほどの2つの調査から考えてみます。
「速単必修の簡単な部分」と「シス単」の被りは57%
「速単必修の難しい部分」と「シス単」の被りは77%
平均して、速単必修編全体で7割程度がシス単に載っていると予想されます。
とはいえ、単純に残りの3割が全部シス単よりも簡単という訳ではなく、単語選出方法の違いで、「同じレベルだけど被ってないだけ」という単語もありますね。
先ほどの調査で、被ってない単語の半数程度がCEFRでA2以下だったため、これを当てはめて、3割の半分=15%分の単語がシス単よりも簡単と予想しました。
そして、速単必修編の見出し語は1900語なので、1900×15%=約300単語程度分のレベル差という予想です。
図にするとこんな感じ
大体このぐらいのズレ方だと思われます。
更にここで、難しい側の単語の差を正確に把握するために、「速単上級編」と「シス単のステージ3&4」を比較することを思いつきました。上図で言うと、右端の部分の精度ですね。
速単(必修編)と速単(上級編)の境界
これは公式の情報ですが、速読英単語(速単)は、必修編と上級編では見出し語の被りが無いことになっています。
つまり、速単上級編とシス単の難しい単語を比較することで、より境界が正確に検証できます。
速単上級とシス単ステージ3
シス単のステージ3の単語で、ランダムに100個調査した結果、速単上級にも載っていたのは45/100=45%でした。
ステージ3は一番難しいステージではないですが、それでも速単上級レベルの単語が半数近く載っていることになります。
速単上級とシス単ステージ4
次に、シス単で最難であるステージ4です。
同じくランダムに100語を調べると、66/100=66%でした。
難関大専用の単語帳である速単上級と半分以上被っているので、シス単の上の方はやはりかなり難しいと言えます。
逆に言えば、今回のメインテーマである速単必修編はシス単よりも低めに設定されているということが更に確認できました。
調査をまとめて図で表すと
シス単のステージ3&4の単語数は約800で、先ほどの結果から、その半数程度(約400単語)が、速単上級と被っていると予想しました。
そしてこれらの単語は、速単必修には載ってないことになります。
最初の調査で、速単必修編がシス単よりも簡単な方に300単語分ぐらいの差があると予想したのですが、その数値ともほぼ整合性が取れそうです。
これらを基に、先ほどの図に調整を加えるとこんな感じです。
速単必修編を使えるレベルは?
今回の結果から、速読英単語(必修編)を使うときのレベルや他の単語帳との接続をまとめてみます。
・高校英語のかなり基礎的な部分から使えるが、完全に高校英語ゼロ状態からであれば、シス単ベーシックや速単入門編から始めるのが安全。
・既に授業などで高校英語をそこそこ進めていて単語も覚えていっているという生徒なら、速単必修からスタートもできそう。
・既にシス単やターゲットなどを使っていて速単に乗り換えたい人は、乗り換え可能だが難関な単語では必修編だけだとシス単やターゲットに対して不足するため、上級編も必要になる。
※シス単とターゲットのレベル比較についてはこちらで確認を
・逆に、速単必修編を使っていて、もう少し難しいものも覚える必要がある人は、シス単を買って、主にステージ3以降に取り組むとコスパが良い。
・速単上級編は、シス単以上の単語レベルのものが半数近く入っているので、シス単レベルで十分という人は不要。
大体こんな感じです!
思っていたよりも基礎的な単語が厚めに入っている印象で、逆に上の方のレベルは、思っていたよりもシス単に対して不足している感じでした。
速単の上級に入るかどうかというところで判断が難しいとは思いますが、文字通り「速読」のための長文練習量を増やす意味でも速単必修編は非常におススメなので、メインの単語帳と併用するのもおススメですね!
是非参考にしてみてください!